私たちの提言- 再審制度が本当に無実の人を救うものとなるために


2014年3月27日、放火殺人犯として死刑を宣告されていた袴田巖さんが、再審(裁判のやり直し)を認められ、47年ぶりに釈放されたニュースは、日本中に衝撃を与えました。これ以前にも、足利事件、布川事件、東電OL殺人事件、東住吉冤罪事件など、いずれも無期懲役という重罪を言い渡された人たちが、再審によって次々と無罪になりました。
 裁判にはこれほどの間違いがあること、無実の人の訴えが踏みにじられ、犯罪者の汚名を着せられることがあること、その冤罪をそそぐためには、膨大な時間と、気の遠くなるような犠牲が必要になることが、あらためて浮き彫りになりました。
 私たちは、次の3点の法改正をめざすことを当面の中心的課題として活動します。


再審のためのすべての証拠の開示を

再審は、無実の人の最後の救済手段です。しかし、再審裁判に関する法律は、刑事訴訟法の一部分(第4編)わずか19箇条しかなく、具体的にどのように手続きをすすめるか規定がないため、担当裁判官の裁量ひとつで決まっているのが現実です。
ことに重大な問題が、確定審までに提出されなかった証拠の開示です。再審を請求するには、新規証拠を提出しなければなりませんが、その証拠の全ては、検察官の手に握られており、検察官は再審請求人にとって有利な無罪方向の証拠をすすんで開示することなどありません。
これまで再審無罪となったケースのほぼ全てで、検察から開示させた証拠が無罪の決め手となっています。裁判を公正に行うためには、検察に証拠の開示を義務づける明確な法律の規定がどうしても必要です。


検察官の不服申立ての禁止を


困難なたたかいを通じて、再審開始決定が出されても、検察官が不服申立(即時抗告や特別抗告)をすることができるために、再審開始が理不尽なほど遅らされたり、はなはだしい場合は取り消されたりしています。これもまた、再審制度を有名無実化する元凶です。

再審における手続きの整備を


現行の刑事訴訟法の規定は、再審の手続きがないに等しい状況です。再審請求を申し立ててもどういった手続きに基づいてすすめるのか、裁判官の職権に委ねています。そのために、裁判所の姿勢によって冤罪からの救済に大きな差が生じる「再審格差」という状況が生まれています。例えば、弁護団が進行協議を求めても全く無視して、いっさいの事実調べも行わず、再審請求を棄却する事例も後を絶ちません。一日も早い、再審に関する手続法の整備が求められています。